CBN(Chemistry & Biology News)
【領域課外実習】
領域課外実習は、2年次の「課題研究」に向けて1年次の生徒向けに様々なタイプの実験を体験してもらう実習です。
【プロテアーゼ生産菌のスクリーニング】
土壌1g中、数百万以上いる微生物から、タンパク質を分解できる微生物を単離するまでの一連の実験操作を体験してもらいました。菌の周りにクリアゾーンと呼ばれる、透明な領域を展開できる微生物を指標にして取るという原理です。
無菌操作・希釈方法・植菌方法・特殊培地作製方法など、これらができるようになると、薬成分(抗生物質)を生産する菌や、特定の物質を分解する菌(環境浄化などにつかえる)、特定の環境下で生きられる菌などを分離するのに使えるなど、様々な分野の研究に使えます。
【プラスチックの密度分類】
様々な濃度の食塩水を作り、色分けした層を用意します。様々なプラスチックを密度の違いによって分類する実験です。PEは上層に浮かんだり、PETは沈んだり、生分解性プラスチックPCL(ポリカプロトラクトン)はどこの層に入るのか等調べる実習です。基本的な水溶液を作る練習にもなります。
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【ハンドクリーム製造実習】
ハンドクリームを 自分で製造して、乳化現象を確認したり、商品の成分と比較することや、医薬品医療機器法(薬機法)から取り扱いの注意を学んだりする実習です。匂いや色を付けたりするアレンジも可です。
2024/03/08 東京大学大学院農学生命科学研究科の先生に出前授業をしていただきました!
来年度化学生物領域を選択する生徒たちに向けて、「東京大学大学院農学生命科学研究科 応用動物科学専攻 応用免疫学教室 准教授 三條場千寿 先生」と来年度より「同大学大学院博士課程に在籍する皆川夏奈子 さん」に出前授業をしていただきました。
三條場先生から、NTD(Neglected Tropical Diseases)顧みられない熱帯病の話や、ワンヘルス(One Health)というヒト、動物、環境の健康を実現する取り組みなどについてわかりやすく御講義いただき、
皆川さんからは生物同士の関わりについてや、卒論研究の「昆虫(感染症を媒介するサシチョウバエ)体内の共生細菌を利用した感染症コントロール」の実験結果についてなどを教えていただきました。
研究が社会の中でどのような意味をもつのか、公衆衛生にどのように関わるのかをわかりやすく教えていただきました。
個別に質問をしに行く生徒もいて、講義を聞いた生徒達には来年度から始まる”課題研究”にむけて、たくさんのヒントを頂く機会になったのではないでしょうか。
2023/5/23 【化学生物領域】走査電子顕微鏡 (SEM:Scanning Electro...
2年次で化学生物領域を選択した生徒たちが電子顕微鏡等の製造販売を行っている「日本電子株式会社」の体験講座を本校に設置されているSEMを用いて受講しました。体験講座は①座学と②実際にSEMを操作したり体験する2部構成になっており、生徒たちも楽しそうに受講していました。①の座学の一部分では大学の医学部の講義でも使われている内容で、卵と精子の減数分裂や受精の詳細画像や、胚の発生過程や顔の形成などの精細な画像は素晴らしかったです。用語や模式図自体は高校「生物」の教科書にもある通りですが、実際の画像は違いますね!
2025/01/9~30 科学技術科 2年次 化学生物領域 領域実習Ⅰ Amgen Biot...
Amgen Biotech Experienceプログラムは、高校における生命科学実験をサポートするプログラムです。日本においては東京大学・大学院農学生命科学研究科によって運営されており、本校化学生物領域の2年次の領域実習で実施されました。
実習内容は、赤色蛍光タンパク質(RFP;Red Fluorescent Protein)の遺伝子を大腸菌に組込み、赤色に光る大腸菌を作成する実習です。
1週目は制限酵素処理とライゲーションを行いプラスミドの作成をし、2週目はプラスミドDNAを電気泳動で確認、ヒートショックによる形質転換を実施。3週目はプレートの確認とオープンカラムによる蛍光タンパク質の精製を行いました。
高校の生物の教科書に載っていることを知識として理解するだけではなく、実際に操作して、意図しない現象も含めて考察することは、生徒にとって活きた知識を獲得できる良い機会となりました。
2025/02/16 令和6年度環境学習成果発表会
茨城県霞ケ浦環境科学センターで開催された令和6年度環境学習成果発表会にて本校の科学技術科 化学生物領域 2年次 田口 壮一郎さん・田澤 初季さん・中村 伸隆さんが『凝集剤・微生物・植物での効率的な水質浄化』という題で研究発表を行いました。
午前中は口頭発表、午後は同センター研究職員及び各校参加者とのポスターセッションを行ってきました。
2025/07/29 筑波大学の野村研究室で研究発表&キャリア学習!
公益財団法人科学技術広報財団(PCOST)の事業の一つとして科学技術科化学生物領域3年次生と2年次生、計2名が筑波大学の野村暢彦研究室を訪問しました!
■主な活動
・研究発表:野村教授をはじめとし、研究室に所属する研究員の方や大学生の前で発表し、専門家との活発な議論で研究のヒントを多数獲得しました。
・キャリア学習:大学生からリアルな進路や研究の話を聞き、将来を具体的に考える貴重な機会になりました。
・野村研究室見学:最先端の実験装置が並ぶ現場に、知的好奇心を刺激されました。
第一線の研究に触れた今回の経験は、二人にとって大きな財産となりました。 野村研究室の皆様、温かいご指導をありがとうございました。
次回はいよいよ大学での実験に挑戦します!
2025/08/21 金沢大学ナノ生命科学研究所見学(江崎玲於奈賞受賞 安藤敏夫先生)
科学技術科化学生物領域2年次生1名が、「第21回江崎玲於奈賞」を受賞された安藤敏夫先生がいらっしゃる、「金沢大学ナノ生命科学研究所」の研究室見学会に参加しました。
安藤先生が開発された「高速原子間力顕微鏡(高速AFM)」の説明を聞き、それを用いたタンパク質の観察、施設見学等をしました。
安藤先生が、「高速AFM開発のきっかけは、『動くタンパク質分子がある。動くところを見てみたい。だったらそれが見られる顕微鏡を作ればいい。』ということだった。」とおっしゃっていました。純粋な知的好奇心からのスタートだったということに感銘を受けたと同時に、未来の科学者かもしれない本校生徒の皆さんにも、その気持ちを持ち続けてほしいです。
2025/08/29 筑波大学の野村研究室の設備で課題研究および研究体験!
公益財団法人科学技術広報財団(PCOST)の事業の一つとして科学技術科化学生物領域3年次生と2年次生、計2名が筑波大学の野村暢彦研究室で研究体験を行いました!
■ 主な活動
1. 課題研究:研究室の設備を利用したナノプラスチックの回収
臼井さんの課題研究テーマであるナノプラスチックについて、研究室の超遠心機を用いて試料から分離・回収を試みました。その結果、ナノプラスチックをペレット(沈殿物)の状態で取り出すことに成功しました。
2. 研究体験:乳酸菌の顕微鏡観察
市販の乳酸菌飲料に含まれる菌を「LIVE/DEAD染色」という手法で染め分け、蛍光顕微鏡で観察しました。これにより、飲料の中で乳酸菌が実際に生きていることを確認できました。
実験では失敗も経験しましたが、その都度原因を分析し解決策を探るという、科学的なプロセスを体験的に学びました。本校の生徒にとって、普段より一歩進んだ内容に挑戦する良い機会となりました。
野村研究室の皆様には、温かいご指導をいただき、心より感謝申し上げます。